岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説 マレーの虎(2005)

岸和田少年愚連隊 マレーの虎 [DVD]

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■ストーリー
 60年代日本の子供達を熱狂させてやまないヒーロー、怪傑ハリマオは実在した!
 ハリマオはマレーで死ぬ前に、その力の源となった赤い宝石をどこかに隠しているらしい。
 その宝石のありかを記した地図を、ひょんなことから、というか、郵便屋を強盗していたイサミちゃん(山口祥行)が見つけて、さっそく単独でマレーに潜入する(このとき、マレー語を翻訳していた怪しいオヤジは三池崇史)。
 しかし、マレーで怪しいマフィアに奇襲を受けたイサミちゃんは哀れ監禁されてしまう。
 友人イサミちゃんの危機に立ち上がったのは岸和田が誇る全国高校総番カオルちゃん17歳(竹内力41歳)。
 ハリマオはマレー語で虎を意味する。
 虎と化したカオルちゃんがハリマオの財宝を巡り、マレーシアのマフィアと激突する!

 参考→岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説 Episode1
     岸和田少年愚連隊 カオルちゃん最強伝説 番長足球
 とうとう日本を飛び出したカオルちゃん。40代で男汁ムンムンの竹内力が17歳を演じるというコンセプトが、わりと吹っ飛んでしまっている。カオルちゃん学校行けよ。
 岸和田という空間で閉じてたシチュエーションものだと思ってたので、海外に飛び出したのはビックリしました。でも、やってることも、メンバーもいつもと全然変わらないので、寅さんや両さん葛飾から出たり、サザエさん一家が旅行に出ていたりするようなものです。安心しました。
 ヘタレ不良の倉本(田口トモロヲ)があまり必然性なくマレーシアまでついてくるし、ダメヤクザの島田組長もストーリーの中心にどっかり座っています。やっぱり今までのカオルちゃんシリーズと全然変化してない。あとレギュラーに、いつもいつもやられっぷりが素晴らしい四国総番、四万十剛(体中に貼り付けているボタンが最高)がいますが、今回も出てきます。登場シーンは、かなり意表を突かれるというか、これはむしろ卑怯でしょう*1
 田口トモロヲの度を過ぎてクドイ演技はまたエスカレートしていて、下痢してるところでも「ぶりぶりー!」とか、なんか思いっきり叫んでいるところは笑いを通り越して圧倒されてしまう。倉本という役はただただ鬱陶しい小者というキャラクターなんだけど、田口トモロヲのエキセントリックな演技が、単なる魅力的なキャラクター以上のものにしている。だって、今回の倉本の出番って、わりと序盤から下痢してるだけなんですよ。普通下痢だけで何シーンももちませんよ。あと、誰が思いついたのか知らないけど、水筒と言う小道具はヤバイ。小学生が喜びそうな下品ネタをクドクドやるところが倉本らしくていいですね。
 一作目の恋するカオルちゃんは素敵だったけど、最近はそういう役どころはイサミちゃんがもっていってるみたいね。やんちゃなようで鈍感なところがいいけど、やっぱり一作目の恋するカオルちゃんがよかったなあ。カオルちゃんだってまだまだ恋できますよ。まだ17歳なんだし!ヒロインは小嶺麗奈。女優の格が徐々にあがってきてますね。
 で、今回も痰の吐き方素晴らしく、楽しい作品なんですが、一つ不満があるとすれば、カオルちゃん、今回わりとピンチに陥るんですね。一作目でピストルで撃たれてもピンピンしてた絵を見てる僕としては、やられてるカオルちゃんはちょっとショックでしたね。

*1:ちなみにフィリピン人の主要キャラクターは日本人ばかり、リキプロダクション所属ばっかりです。