シャークボーイ&マグマガール 3-D(2005)

violent_jef2006-01-06

■ストーリー
いじめられっ子で夢みがちな少年マックス。彼の楽しみはシャークボーイとマグマガールの大活躍する夢を見ること。忘れないように夢日記つけてたけど、いじめっ子ライナスに盗まれちゃった。いたずら書きをされたけど、実は夢日記にかかれたことは実際に起こっていたんだ。これがきっかけで夢の世界には危機が訪れる...。学校に嵐が来たり、夢の世界が危なくなるのは『ネバ・エン3』を思い起こさせるけど、気にするな!
そこでマックスは夢世界に旅立ち、世界を救うことを決意する。
だけど、マックスはまだ救世主である自分の能力に気づいてはいなかった...。

酷評注意
 CGで遊びまくってるわけでもなく、好きな世界観をぶち込んだオレオレ映画ってわけでもない。キッズ・ムービーにしても、対象年齢が低すぎで、これじゃあ逆に子供はみないよなぁって印象で、ロバート・ロドリゲスの狙いはイマイチよく分からなかったんです。
 IMDbをみてみると、このストーリーはロドリゲスの7歳の息子から着想を得ているとの記述があったので、これは結局、幼い息子のための映画じゃないのかと勝手に合点してしまいました。
 『エル・マリアッチ』『デスペラード』『フロム・ダスク・ティル・ドーン』に『パラサイト』と基本的にロドリゲスは力任せに撮りたいものを撮ってる感じがして、とっても好きな映画が多いんですが、『スパイキッズ』といい、本作といい、CG詰めキッズ・ムービー路線は意識的に子供視点に立ち戻ってる感じがして、そんなに好きじゃないんですよ。ストーリーも観客も完全に無視で妄想世界をガンガンに描きたいのか、子供をあやしたいのかよく分からない。『スパイキッズ』がちょい前者よりなら、本作はかなり後者よりで楽しめる観客はかなりしぼられてくると思います。僕は正直パワー不足で楽しめませんでした。
 わざわざロドリゲスのミドルネームをつけられた主人公マックスですが、ロドリゲスの分身にしては妄想家の夢や苦悩が素直に表現されたとはちょっと思えないんですよね。シャークボーイとマグマガールに慰められ、励まされてばかりのマックスは見ていて歯がゆい。『バロン』のホラ吹き男爵や『フィッシャー・キング』のヘンリー教授のような覚悟や開き直りのようなものは求めないにしても、どうも感情移入しづらいのは確かなんです。
 特に主人公はファンタジー世界に現実問題をそのまま持ち込んでるきらいがあるので、それだけに都合の良い展開は不満が残ります。
 僕にとってファンタジー映画の原点は『ネバーエンディング・ストーリー』であり、主人公がファンタージェン国に入り込むくだりは、震えるほど興奮した記憶があります。子供の頃に体感した映画ってのは印象が強くて、後に見たエンデの『はてしない物語』もやっぱり涙出るほど面白かったんですが、どんなに内容が濃くても映画版のほうが好きだったりするんですよね。
 『ネバエン』ではファンタジーが実現化するまで溜めに溜めていたため、主人公がファルコンに乗る時のカタルシスはたまらなかったんですが、それだけに本作のようにあっさりファンタジーの国に乗り込まれてもワクワクしないところはあります。B級なファンタジー映画のように溜めるだけの展開もストレス溜まるわけですが…。異世界に巻き込まれる感覚は『マトリックス』を踏襲しているのかな。とくにクライマックスとか...。
 やたらドアップの多いマグマガールの作り笑顔が印象的です。アメリカって子役の顔にファンタジーを感じません...。
 
 

シャークボーイのダサい衣装にはガッカリだぜ!