ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005)

ハリーとロン、二人はボンクラ

■ストーリー
「ハ、ハリー...見ろよ。
朝帰りだぜ。
...このオレがだよ。フフフ...。」
ホグワーツ校は他校の生徒を招いてダンスパーティーを開くことになりました。
ハリー三人組も15歳のお年頃。三人ともそれぞれ華やかな女の子、カッコいい男の子に憧れを抱きます。
でも、ハリー、ロン、ハーマイオニー、それぞれ本当は何を考えているのかな?
三人とも大人の階段を上がり始めることで、互いをつなぐ友情は複雑なものになります。
果たしてハーマイオニーとダンスのできる男は誰なのか!?
三人組は貞操を破ってしまうのか!?
ところでダニエル・ラドクリフ、「昔はエマ・ワトソンが好きだった」って、過去形が余計だ。正直になろうぜ!
魔法合戦とサスペンスもあるよ。

 いやー、盛り上がってまいりました、盛り上がってまいりました。
 いよいよハリー・ポッターも青春編に突入していくわけです。三人ともキッズドラマに違和感が出るくらい成長してしまったので、この展開は自然ですね。ロン役のルパート・グリントなんて鍛えているのか、肩幅広くなってるし、不機嫌な場面ではいっぱしにオーラ放ってましたよ。二作目では女子トイレを仕切っていた嘆きのマートルも成長したような気がしたけど、調べたら演じてたシャーリー・ヘンダーソンは今年で40歳でした。ギャー*1
 これまで、どんな困難も血筋と才能でなんとか切り抜けていった我らがハリーが、女の子の問題に関しては手も足もでないって展開がよかったですねぇ。どんなに優秀な生徒でも恋の魔法を操るには若すぎるというわけですか、いやはや。今回は妙に親近感の抱けるハリー君でした。
 今回のダンスパーティーのくだりは、久しぶりに学校生活や登場人物に焦点を当てた感じでロンやハーマイオニーが輝いてますねぇ。ハーマイオニーがホントは何考えてるのかサッパリ分からないのはハリー視点だからでしょう。ここからだんだんハーマイオニーと男どもとの間の齟齬というのが生じてくるわけですよ。ちょっぴり切ないラストの余韻が生きてくるわけですよぉ!性格の分かり易いロンもいい!ダンスパーティーでのロンとハリーのボンクラっぷりは、あまりに様になっていて、違う映画かと思いましたよ。
 
 今回のテーマは変わっていく友情ですね。これまでのように仲良くやってれば大丈夫というわけにはいかないんですね。ハリーとロンはお互いの信頼を試されるし、ハーマイオニーは三人の間がこれまでのように上手くいくのか不安になる一言を漏らします。「みんな変わっていくんだわ...」と最後にもらしたように、お互いの別々の経験をつみ、考えも変われば、お互いの距離感も変わってくるわけで。三人の関係の思わぬ危うさというのが結構分かり易く描写されてて楽しめました。「一つ目の試練を達成したとき、ロンによって、実はハリーがみんなから信頼されてなかったことが明らかになるシーンは秀逸。なんだかんだいって、ハリーはロンとハーマイオニーが親友なんですね」。結局、友情は大切なんですが、ハリーがどのようにこれを守っていくのか。三人の関係にどんな試練が降りかかるのか。いい意味でこれからに期待させる作品だったと思います*2
 
 初期のライバルであったにもかかわらず、加速度的に存在感を失っているドラコ・マルフォイ君。だんだん悲惨な境遇に追い込まれていってますが、ハリーに相手してもらえるよう、めげずにがんばってください。出番がないといえば、セリフの記憶もないミネルバ・マクゴナガル先生(マギー・スミス)もそうですが、CGになっちまったゲイリー・オールドマンは某蠍王を思い出して泣けます。あっちは喋んなかったけど。今回の「闇の魔術に対する防衛術」担当のマッドアイ・ムーディー先生。今回もキレっぷりは良かったですね。不気味極まりないけど、意外と機能的な義眼が最高でした。「ヴォルデモート対ハリーの魔法対決はどうみてもドラゴンボールです」。
 
ドラゴンは大切に扱われているらしいですよ

*1:でも性格は違うでしょ、変わってるでしょ

*2:指輪物語』みたいに結局、男の友情こそ最後まで続くんだよぉって展開になるのかな?