裏窓(1954)

裏窓 [DVD]

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■ストーリー
カメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュアート)は自動車事故を撮影中、巻き込まれて骨折してしまった。アパートで養生しているが、退屈極まりない。向かいのアパート観察で退屈をしいのでいたが、ある夜セールスマン(レイモンド・バー)の怪しい行動を発見する。翌日から姿のないセールスマンの妻。果たして何が起こったのか。恋人リサ(グレイス・ケリー)、看護婦のステラ(セルマ・リッター)の協力の下、ジェフは独自の調査を開始する。

 サスペンスの王、アルフレッド・ヒッチコックの代表作の一つ。
 ヒッチコックの映画って、素人目にすごく上手くて、完成度の高い映画をみたなぁ、名画を見たなぁという気にさせるので好きです。オープニングのパンの1カットだけで主人公の状況を説明しきった映像は今だとあざといんでしょうが、僕は「上手い、すごい」と感嘆させられました。視点がアパートの一室からほとんど動くことがないってこだわりも好きなギミックです。役者もストーリーも素晴らしく、隙のない名画。さすがヒッチコック
 
 せまっくるしくて東京にもなさそうな密集アパート群ですが、丸々一つのセットに作り上げたというのは凄い。電水通ってて普通に住めたらしい。でかいセット作るためにスタジオの床をぶち抜いたほどの力の入れよう。低予算っぽいですが金使ってますねぇ。
 全然話が違いますが、毎回衣装の変わるグレイス・ケリーを見ると、ヒロインの衣装を毎シーン変えてたおかげで、衣装代で予算のほとんどを使ってしまった某超特急映画を思い出してしまいます。
 しかし、グレイス・ケリーは美人でした。美貌からオーラから、まさにハリウッド女優らしいハリウッド女優だなぁと。登場シーンは非常に神秘的で好きです。完璧美女ってキャラクターが本当にピッタリはまりますね。ジェフも向かいの水着美女を眺めてる場合ではない。
 
 アパートをいろいろ眺める話なので、各住民のショートストーリーなんかが盛り込まれてるわけですが、いずれも孤独な都会人ってテーマがあって、物悲しくていいです。中でもやたらしつこく撮られてたミス・ロンリーハートのエピソードは泣ける。恋人とのディナーごっこ(独り)や、男とも上手く接することが出来ない孤独っぷりは胸にヅキヅキきます。ミス・ロンリーハートの容姿も細かい動作もやけにリアリティがあり、まさかこんなところで悲しい負け犬ドラマが見れるとは思いませんでしたよ。ワオーン。
 
 
友人から借りました。読むど!

ヒッチコック『裏窓』ミステリの映画学 (理想の教室)

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高いけど、いつか読みたい
定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー

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