イレイザーヘッド/完全版

イレイザーヘッド 完全版<ニュープリント・スクイーズ> [DVD]
■ストーリー
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
出来ちゃった結婚をした"消しゴム頭"ヘンリー。でも生まれた赤ちゃんは未熟児。ヒヨコ頭をプリプリさせてるけれど何かと癇に障る行動をとる困ったちゃん。嫁さんは育児ノイローゼにかかって家出。赤ちゃんを残されたヘンリーも次第に神経衰弱に。不快を極める90分間の悪夢の洪水は観客を飲み込んでしまうだろう。
 
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 デビッド・リンチのデビュー作です。僕はあまりリンチの映画は観たことなくて、ドラマの"ドーナツが美味そう"『ツイン・ピークス』を少しかじっただけですね。怪しくて不穏な雰囲気に満ちていながら何も起きないという肩すかしっぷりをみて「映像は何か深い暗示に満ちてそうで実はリンチは何も考えてないんじゃないか」と思ったものでした。
 冒頭のイメージは、アレは「性交」なんだろうなぁと何となく補完できたけど、そこからは意味不明なイメージの連続。嫁さんの家族と食事をするシーンから怪しい人間に不思議なイメージとリンチ節が全開になってます。
 全体的に赤ちゃんが嫌なのはわかるんだけど、個々のイメージが何を言ってるのかサッパリ。かなり早い段階から思考放棄に陥りました。何も考えてないのはリンチじゃなくて僕なんですね。
 しかし、映像の趣味の悪さは『ツイン・ピークス』をはるかにしのぐものでした。こぶ女のダンス*1にあまりにも自然な動きの赤ちゃんと観る人をトラウマにしてしまうことでしょう。ストーリーに整合性もないので、終わっても釈然としないものがあります。
 普通に性格を疑ってしまうブラックジョークが混ざってたりと憎めないところも多いですが、この映画を愛するにはまだまだ修行が足りないようです。むぅ。

*1:これは間も動きも表情も最高でした。最も不快に徹したベストシーンですね