路 YOL


酷評注意
 1982年公開のトルコ映画カンヌ映画祭でグランプリ獲ってます。クルド人作家が獄中で描いた物語の映画化です。舞台はトルコでクルド人問題にとどまらず、保守的な男女関係や社会の風習も盛り込んだ骨太で社会派なつくりになっています。なんか映画を娯楽としか認識してない僕とは全然縁もゆかりもなさそうな映画ですが、しょうもないきっかけで2時間の重たいロードムービーを鑑賞することになってしまったわけです。
 id:mustafaにちょっと映画を勧めることになって、友人の間でもちょっと評判のよかった「みち」という映画があったわけですよ。観たことないけどなんとはなしに勧めてみたら、これが大はずれ。以来、映画が話題になるたびに「『路』を見ろ。」「お前だけ『路』をみないのはズルイ」と非難され続けたわけです。
 ごめんね〜。
 でも、申し訳ないけどいい加減くどいんです。
 ここで一度みてやろうということで今回の鑑賞に相成ったわけですよ。
 ちなみに評判のよかった「みち」ってのはフェリーニの『道』でした。まぎらわしぃんだよ!*1
 
 さて、観ましたよ!二時間一人で眠らずに。確かにid:mustafaがトラウマになるくらい演出はタルイ。テンポは悪く、展開も遅いです。ストーリーは明らかに説明不足。顔がみんな同じに見えて誰が誰だかわからんというのは仕方がないことでしょうね。鑑賞するにしてもあらかじめストーリーを知っておかないと厳しいものがあると思います。各エピソードの入れ替えが唐突で追いにくいんですよ。顔見分けられないし(実はストーリー予習しちゃってたんだけどそれでも終盤は全然追えなかった…)。
 
■ストーリー
軍事政権下のトルコ。刑務所から5日間の仮出所を許された男達のロードムービー
銀行強盗のさい婚約者の義兄を見捨ててしまった男の贖罪の旅
軍事政権下でますます居場所を失っていくクルド人。ゲリラの兄を持つ男の苦悩の旅
婚約者に会いに来ても封建的な家族の監視が厳しく、悶々とする男の旅
投獄中に他の男に体を売ってしまった妻を持つ男の断罪の旅
 
 見る人が見ればためになる映画なんでしょうが、楽しめる映画ではないです。ためになる座学の講義みたいな印象。

*1:さらに後日、フェリーニの映画『ジンジャーとフレッド』にチャレンジしてみたんですが、こちらも撃沈。アートな映画は肌にあいません