TAJIRI-The Japanese Buzzsaw

TAJIRI ザ ジャパニーズバズソー
実はWWEファンの中では一番親近感を持てるレスラーなのではないでしょうか。日本では著書一冊、コラム三本を抱えており、ある意味最も露出の多いスターといえるでしょう。で、そんなTAJIRIさんが自らのキャリアを振り返ったのが本書。TAJIRIさんもWWEに至るまでに極真、キック、IWAジャパン、メキシコ、ECWと場所もスタイルも団体も様々なところを経験しているので、プロレスファンには興味深いところが多いのではないでしょうか。最近のWWEしか知らない人でもついていける文章になっています。
IWAジャパン浅野社長、RFビデオのロブ・ファインシュタイン、ニュージャックにサンドマンと知る人ぞ知るプロレス界の曲者のエピソードももちろん面白いのですが、見所はやはりTAJIRIさんのキャリアにあるでしょう。目標が定まれば部屋の壁中に目標を書いた紙を張り巡らしたり、しっかりした人であることはみんな知ってることだと思いますが、キャリアの変化が激しいために転機がくるたびに前向きで力強い態度をとるTAJIRIさんからは元気をもらえる部分が多いです。基本的に成功一直線で大きな挫折も見えませんが、成功する人ってのは一途で強い人なんでしょうね。
ECW時代の描写が多く、トミー・ドリーマーとポール・ヘイマンのけなげな姿勢には涙が出ますね。