東京ゴッドファーザーズ

東京ゴッドファーザーズ [DVD]
 今敏監督作品。
 すんごい面白かった。やっぱり日本のアニメってすごいね。映像も音楽もストーリーも最高。下手な実写よりも数段クオリティ高いです。ハートフルな物語だけど、捻くれものの僕でもすんなり受け入れられました。これは文句なしに名作。
 ホームレス三人組が捨てられた赤ん坊を見つけてしまい、親を探して東京を歩き回るロードムービーです。ゴッドファーザーってのは「名付け親」の意味のほうね。クリスマスが舞台なのであやかって「清子」と名づけられます。僕もギャングが一杯でてくんのかなとか少し思ってました。めでたい名前の「清子」は幸せな奇跡を起こします。清子の親は果たして見つかるのか?三人組のホームレスは幸せを見つけられるのか?というのが大筋です。
 三人それぞれキャラクター作りがしっかりしてるのでストーリーにすごく入り込みやすい。ギンちゃん、ハナちゃん、ミユキ、それぞれ「わかるわかる」と思わせるセリフ、背景があるので映画の展開にあわせて悲しくなったり切なくなったり、幸せになったり出来ます。それぞれのサイドストーリーもきっちりまとまっていくので最後はスッキリサッパリ幸せです。声の選択もベスト。元ドラッグクィーンのハナちゃんには梅垣義明さんが当てられてて、例の歌を歌ってたときは笑いました。名前も"ハナ"ってのは狙ってるんでしょうか?みなさんはまっててGood!岡本綾(ミユキ)の低い声もらしくてよかったねぇ。高いと軽薄になっててホームレスと共同生活するような気合はいった家出が現実感を失いますね。
 音楽はデジタルだけどやさしくて幸せな感じ。マザー2を思い出しました。
 映像はメチャクチャ書き込んでるなぁと素人でもわかる出来。背景も写真とCGかと思いきや、全部書いてるんですねぇ。すごいわ。ごみごみした東京が舞台なので、色彩は落ち着いた感じ。はぁぁっとため息したくなるような綺麗な絵はありません。ごめんなさいね。僕はもうちょっとゴテゴテしたものが好きなの。
 セリフも軽快で飽きさせません。ホームレスが嫌われてる描写はしっかり出すんだけど、三人ともおバカで根アカだから心地よく見られます。三人組がいつも喧嘩ばかりしてるのもよし。ホームレスにしてはやたら元気だし、テンション高すぎ。エネルギーもたねぇだろとか野暮なことはいわない。
 先が読めないドキドキワクワクする映画に久しぶりに出会いました。どうなる!?どうする!?と場面から場面へつなぐときに観客の強い関心を必ず一つ残しておくのはすごい。テンポもいいし。ここまでしっかり作られると言うことないですね。最高最高。
 
 …最後に。三人組でだれに一番共感しましたか?僕は嘘つき見栄っ張りでだめ人間のギンちゃん♪