シュラム

あー、よっぽどスプラッターになれていない限り観なくていいですよ、これ。
映画紹介です。久しぶりのホラーです。
はまぞうにも登録されていませんでしたね。
とりあえず、AllcinemaOnlineでの紹介文をリンクしておきます。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=161463
 ヒョードル似の殺人犯が死ぬ直前に見る回想(含妄想)をたどった映画です。
 主人公が死んでしまう冒頭から音楽と映像をもって観客をおもっくるしい雰囲気にぶちこんできます。最初の殺人までの演出が気色悪いことこの上ない。ここまではグロくもなんともないんですが、早くも根をあげたくなります。
 適度な画質の悪さは時としてホラーにおいては効果的になるのですが、それは本作においても然り。徐々に広がってくるゴア映像や、主人公のコンプレックスがこれでもかと提示してくる部分は映画の持つ負のオーラを極限にまで高めています。筋トレをあそこまで気色悪く撮れるのはブットゲライトだけでしょう。
 イメージの移り変わりがものすごくスムーズなときもあれば、唐突過ぎる転換も行われており、観客は不可思議な映像世界に引っ張りまわされます。唐突過ぎる場面転換が起こり、なおかつ不安感をかき立てる音楽が流れ始めたときは覚悟しましょう。目ん玉が抉り取られたり*1、アソコに釘を打ち込まれたり、最も気色の悪いアレを想起させるクリーチャーが現れたりします。
 死の予感とコンプレックスという二重の負のイメージに追い立てられて、観客の気分は高揚するでしょう。(言い換えれば、ものすごく気分が悪くなるでしょう。)きっと映画が終わったらぐったりするはずです。これが鬼才&変態監督ヨルグ・ブットゲライトの魅力であり、力であると思います。
 ヨルグ・ブットゲライトはドイツ人で、ものすごい負のエネルギーを持った映画を撮る人で有名です。映画とるたびに上映禁止や、ネガ没収になったりするすごい人。監督は本作を最後についに映画製作禁止処分を食らってしまいました。アーメン。
 本編が終わると脱力系メイキングビデオが流れます。すんごい楽しそうに映画作っているので物投げたくなりますが、必見です。本編とのコントラスト強すぎ。
 二度と観たくない映画です。ヒョードルもしばらくまともに見れません。*2

*1:最悪シーンはこれ。目玉はなぜか、きっついですね。いったたぁぁぁ!みたいな。

*2:ヒョードルが攻撃を受けていてぇ!って顔すると、こっちもいてぇ!ってアソコを押さえることになると思いますヨ。