タイムリープ

タイム・リープ―あしたはきのう (上) (電撃文庫 (0146))
タイム・リープ―あしたはきのう (下) (電撃文庫 (0147))
 友達が「超やばい!超やばい!」といって興奮していたので、借りてみたライトノベル。階段から落ちた瞬間、主人公の頭をめぐるさまざまな時間。そしてそれらは主人公が見知ったものとは違う。不思議な世界が繰り広げられています。そして主人公は不気味なくらい落下を繰り返す。落下は場面が切り替わる起点なのです。不自然な数の落下の連続に主人公と読者はますます混乱へと引き込まれていくでしょう。時間を跳躍した主人公はさまざまな体験をします。主人公に襲い掛かる汚水、語りかける第二の人格、暴走する車、数字の洪水、薄ら笑いを浮かべ、暗示を残す三人組みの不気味な少女たちと、狂気の演出が次々に繰り広げられ、読者を狂気と正気のハザマに追い込んでいくでしょう。覗くな、狂うぞ!
 シュラムほど精神的にくるグロさはないし、マウス・オブ・マッドネスほどの強烈な狂気の演出はありません。筋はわかりやすいです。謎はきちんとパズルを解いていくように解決していきます。クライマックスはベタベタなので、そこまでの展開を楽しみましょう。序盤から最後まで一気に読ませるのはさすが。登場人物はなんだか鼻につく奴ばかりだったけど気にしなーい。
 最後はこれも脱力系あとがきで失笑しましょう。