レディ・イン・ザ・ウォーター(2006)

■ストーリー
 怪奇!プールの中に人魚が住んでいた!
 主人公はアパートの管理人クリーブランド・ヒープ(ポール・ジアマッティ)。冴えない孤独な中年男。彼はアパートのプールから水の精ストーリー(ブライス・ダリス・ハワード)を拾ってしまうんだが、彼女は世界を救う大事な役目を担っていたのだ。
 しかし、彼女は命を狙われており、なおかつ役目を果たすためには、アパートの住民の力を借りることが必要なのだ。

 『シックス・センス』も『アンブレイカブル』も『サイン』も楽しかったのですが、今回ばかりはいかん。ちょっとついていけなかった。
 予告編を何度か見たことがあるんですが、何を売りにしてるのか、何が謎になっているのかわからず、それでもシャマランのことだから、今回も強引にオチをもってくるかなあと思ったわけですが、期待は裏切られた。
 全然ドンデン返しがないじゃん!ないなら、ないって言ってよ!
 物語は水の精にまつわる世界が明らかになり、ストーリーを救う方法を模索することが物語の主な展開になるわけですが、これがどうも乗れないんですよ。
 中国人のお姉ちゃんに頑張って水の精についての話を聞くところは、どうしても設定を語りすぎるファンタジーのように思えてしまうし、後半の水の精を救う役者探しもなんだか楽しくない。
 物語の上っ面に乗れないと、気持ちが入り込むことも難しいのです。
 ただ、相変わらず冴えない中年を描くと上手いですね。今回はとにかくお人よしで善良なんだけど、これといった魅力もなく、存在感のないアパートの管理人さんです。
 ストーリーを助けることで充実感を得ていき、生き生きとしてくる過程はやっぱり伝わるものがありますよ。それに批評家への嫌悪感がストレートでいいですね。
 作品を追うごとに存在感が大きくなるのはシャマラン本人だったりするのですが、今回は重要登場人物の一人として当たり前のように画面出ずっぱりです。次回あたり主役をやるんじゃなかろうか。