カーズ(2006)

■ストーリー
世界中の車たち憧れのレース界の頂点、ピストン・カップ
ここに颯爽と現れたのは新星、ライトニング・マックィーン(オーウェン・ウィルソン)!
ピストン・カップの決勝レースに出場するためにハイウェイをぶっ飛ばしてたら、思いっきり道に迷った!辿り着いた先は地図に載っていない町、ラジエーター・スプリングス。
道に迷ったと大騒ぎしてたら、町の皆に捕まった。
なんてこった!これじゃあレースに間に合わないよ。
でも、町の皆は素朴でいいやつで、時間が止まったようで、居心地がよくて。。。
いやいやいや、これじゃあレースに間に合わないよ!

 とにかくレースシーンの爽快感は本物。今更だけど、これは劇場で観てほしいです。いまなら空いてるんじゃないかなあ。恐ろしくハイテンションでアップテンポのナレーションに台詞回し。初登場時のマックィーンも随分とテンション高いんだけど、これに映像がガッチリついていってる。
 オープニングはマックィーンの超ドアップで輝く車体と重量感をこれでもか、これでもかと、CGでここまでやったぞと見せ付けてきます。ここでグイングインと軽快なエンジン音。オープニングから見せ場のレースシーンですから、カタルシスまで最小限の助走で演出を仕掛けてくるのです。ここから車の大歓声、恐るべき速さでたくさんの車がグングン走り抜ける!これは本当に気持ちがいい。最初のレースシーンだけで金払う価値ありますよ、ホントに。
 辺鄙な町で友情の大切さを学ぶという、なんともテンポの悪そうな設定ですが、中盤は町に住んでる仲間達の秘密を探るミステリー、そして、町を救う展開にもっていくので、ダレないし、後味がよい。
 きょうび直球過ぎるくらい直球の人情スポ根映画なんですが、ピクサーはこれを登場人物ぜんぶ車にしてしまう。もはや人情友情は仮想世界のロマンなんでしょうか。確かにクライマックスまでのラジエーター・スプリングスのみんなの結束力は理想的で、クラクラするくらいぐっとくる。ラスト・レースではおそらく劇場のみんなも結束している。ずっと隣で騒いでたガキも息をのんだ!
 ラスト・シーンではこれまで溜めて溜めてきた伏線が一気にはじけます。オープニングでは2〜3分でレース・シーンに移行しましたが、ラスト・レースまでは1時間30分ぶんの助走がついています。なげーよ!いや、意味のある長さだ!
 映画館で子供と一緒に興奮しよう!しかし、国歌と一緒にジミ・ヘンドリックスが流れるなんてネタがわかる子供がいるのか!?