単騎、千里を走る(2006)

■ストーリー
不器用だけど、南極、八甲田山、網走刑務所などの苛酷な環境を生き抜いてきたサバイバビリティ溢れる健さん
今回の舞台は中国大陸。携帯電話一つ持って、ポール・ヘイマンばりに大暴れします。
健さんは、中国のみんなと仲良くなれるかな?

 卒業旅行に行く直前に観た映画なんだけど、みんな覚えてるでしょうか。チャン・イーモウ監督作です。彼の『HERO』観ましたが、ワイヤーの使いすぎで重量感のなくなったアクション*1、清潔な絵作りにとても違和感を感じたのを覚えてます。カンフーといえば、泥に土ぼこりのジャッキーの洗礼を受けてしまった僕は、なんか違うようと思ってしまうのです。
 「もう、チャン・ツイィーとばっかり仕事してるロリコンオヤジめ!」ぐらいに思ってましたが、本当は大作風の映画撮りたい人だったんでしょうか。なんか彼のキャリアでは、スペクタクル大作というイメージはない。というか、『HERO』はやっぱりツイ・ハークが関わるべきだった!
  
 それと比べると、本作は『あの子を探して』とか『初恋のきた道』とかの系統に属するのかも。どっちも観たことありませんが、僕の頭の中では純朴、素朴というイメージでつながってます。合ってます?
 今回の健さんは、人付き合いが苦手で、海外なんて行ったことのない不器用な男です。これがたった一人で中国の奥地に入り込むわけです。そこで、まあ、上手くいくわけです。
 ちょっと考えると出来すぎた展開だけど、健さんの存在感が面白くて気にならなくなる。健さん、本当に日本語しか喋らないの。やっぱりこの人は自分を曲げないんだねー。健さんはいろんな困難を意地で貫き通すため、まわりがワイワイ動き回ります。健さんはこの物語で、ぐっと構えて動かない大黒柱なんだねえ。
 中国の人にとって見れば、はた迷惑極まりない健さんですが、文句一つ言わず働きまわってくれます。これは健さんの執念の理由が言葉を越えて伝わったのか、健さんの威厳なのかはわかりません。
 ただ、僕にとっては「現地語サッパリでもなんとかなるんだ!」「要はクソしてる子供を写真に撮ればなんとかなるんだ!」という二つの教訓を得て、自信満々で海外に出かけることができたのでした*2

*1:同じ空飛ぶ人間が闘う物語なら、ドラゴンボールのほうがすごいや

*2:そして旅行先でデジカメを壊した。天罰!