エディ・ゲレロ ライ・チート・スティール Disc1

WWE エディ・ゲレロ ライ・チート・スティール [DVD]
Disc2のレビューはこちら
 英語のサブタイトルは"Cheating Death, Stealing Life"だと。日本語版になってかなりカッコ悪くなったね。オマケのような本編は時間の割に悪くはないけど、いかんせん44分は短すぎ。レスリングのキャリアについて語るのはソコソコに麻薬と酒の依存から抜け出す話に重きが置かれてましたね。悪くはないけどゲレロの場合まだまだ語ることはあるような気がします。短時間で綺麗にまとめられた気がする〜。せっかくの機会だからゲレロ家全員について語ってもよかった気がしますよ。
 それでは各試合毎のレビューに移ります。特典映像バカみたいに長いのね。レスラーは試合で語るのです。

ヘクター&チャボ&マンド・ゲレロ対カクタス・ジャック&RPMs

(1988:AWAスーパークラッシュ3)*1
 またすごい昔の試合を持ってきましたね。これエディのDVDなのにエディ・ゲレロでてませんよ。ゲレロ家いっぱい出てるからアリってことですか。カクタスことミック・フォーリーの若いこと。ゲレロ一族は有名だけあってみんな動きがいいです。顔ぶれは非常に豪華ですが、結構早く終了。ゲレロズが試合を終始圧倒。フォーリーは本当に受身が好きなのか全く攻めてません。

エディ・ゲレロ&ラブ・マシーン対オクタゴン&エル・イホ・デル・サント

(1994:AAAホエン・ワールズ・コライド)ヘア対マスク戦
 サントと聞くと、メキシコの英雄であり映画俳優でもある*2国民的大スターですが、それは親父のエル・サント。しかし、息子も「聖者の息子」の名に恥じぬ大物です。この試合も映画を撮影した直後だったらしい。パートナーのオクタゴンはコスチュームがザ・グレート・サスケにそっくりですね。バックグラウンドが柔道って聞いたとき本気でサスケかと思いました。こちらがテクニコ、すなわちベビーフェイスですね。
 ラブ・マシーンは「お前平田だろ!」の人じゃないです。ポーランド人でフロッグ・スプラッシュやドロップキックを得意とする身軽な人。驚くべきことにアメリカン・ラブ・マシーンとして新日本のリングに上がったこともありますね、この人。生きてれば間違いなく全日本に上がっていたでしょう。
 試合は三本勝負でただでさえ長そうなのに、二人からフォールを取らなければ勝ちにカウントされないという変わった形式。結果的に長くなりましたが面白い展開になりましたね。
 リアクションが大きく、技も華があるラブ・マシーンとテクニシャンのエディ・ゲレロは安定したタッグ・チームですね。ラブ・マシーンを引き立てるためかエディが地味すぎるのがナントモ…。二人ともアメリカンなタイツはいて「アメリカ!アメリカ!」連呼してますね。非常にまっとうなルード(ヒール)のあり方ですね。前半こそエディはテクニシャンっぷりを発揮するも、三本目ではミスを連発。これ、エディのDVDですけど、ラブ・マシーンやサントが目立つ内容になってます。ラブ・マシーンの煽りやムーブはわかり易いので最近のプロレスしか見ない僕でも結構楽しめました。終盤の激しい展開は盛り上がりましたね。サントはやっぱり大人気で、彼が攻撃を耐えに耐えて逆転するときの客の盛り上がりがありえないです。見てるこっちもアドレナリン放出。なかなか面白い試合でした。
 サントはキャメルクラッチが親父から受け継がれるフィニッシュ・ムーブらしいですが、効果的な使い方がされてないのはちょっと不満。どっちかというと動きにキレがあったのはオクタゴンでしたね。

対ディーン・マレンコ

(1995:ECW)三本勝負戦*3
 マレンコもゲレロもWCWに移籍することが決定していたため、ECWでの最後の対決になってしまった本戦。ECWでレスリングをみせ続けていた二人の決着戦です。二人とも両団体合意の上の納得移籍であったため、ECWから温かい声が送られてます。ECWってこのアットホームな雰囲気がいいんだよね。ラストのECWとファンの送迎は心温まる風景でした。
 僕にとって初めてのマレンコ戦なわけですが、「1000の技を持つ男」の異名は伊達ではありません。注目は一本目。見たこともないようなレスリング技が次々に繰り出されてきます。抜群のタイミングでかわしたりスカしたりするゲレロも上手いですが、マレンコ劇場の素晴らしさにはかないません。関節技の攻防は、あの独特のタルさを全く感じさせません。極まりそうで極まらない独特の緊張感をマレンコが保ってるんですね。二人とも曲芸のようにスルスル動くの。三本目はこれまでおとなしかったゲレロが大爆発します。若いだけあって動きにキレがあります。流れもテンポも速めで飽きません。
 結構長い試合でしたが、まだまだ見たくなる好試合です。てか、マレンコ復帰してください。いや、感激したよ。
 ちなみにオーディオ・コメンタリーはトッド・グリシャムが下手くそでゲレロも話を微妙にずらしてくるので、あまり面白くはありません。

クリス・ジェリコ

(1997:WCWフォール・ブロール)WCWクルーザー級王座戦
あれ、試合のペースが一気に落ちた気がする。ゲレロはヒールですが、ワザとタイミングをずらしまくっているケがありますね。ECW時代と比べてものすごく体がしぼられてます。筋肉ムキムキ。今の片鱗がありますね。今はちょっとやせたほうがいいんじゃないかってくらいムキムキですが。先の試合のルイージからラテン版トニー・レオンに変貌を遂げてます。
 対してジェリコはゲレロに合わせてるほかは今とあまり変わりませんね。この人はやっぱり試合時間を長くすればするほど面白い。
 両者ともクルーザー級でありながら飛び技ほとんどなし、長時間レスリング勝負。見所はゲレロ家秘伝のゴリースペシャル炸裂のシーンです。ソコソコ面白い試合ですが、マレンコ戦の後だとちょっとかすんでしまうかな。PPV最初の試合なのに二人とも飛ばしまくり。こりゃ怒られるべぇ

レイ・ミステリオ

(1997:WCWハロウィン・ハボック)WCWクルーザー級王座戦
 今現在、ミステリオとゲレロの抗争は半年以上続いており、ファンの中からはいい加減にしろという声も聞こえてくる昨今ですが、ルチャ出身の精鋭二人の戦いと聞けばやっぱりワクワクしてしまうものです。これ、1997のベスト試合だったんだって。ゲレロ自身も自己ベスト試合だって!?ほ、ホントかよ。僕が見た感じではミステリオペースの試合だったように見えましたが。
 WCWクルーザー勢の中でもひときわ小さいミステリオ。ゲレロはミステリオ相手にヘビー級のような重厚な攻撃を繰り返します。つまり、テンポをゆったりとさせて打撃が多いのね。確かにミステリオが映えるし、ゲレロのヒールっぷりも引き立ちますがゲレロの独創的な動きが殺されているように見えてゲレロのベスト試合と呼ぶにはちょっと疑問を感じざるを得ません。ミステリオのほうは絶好調ですね。攻撃のチャンスは少ないのですが、ひとつひとつが目を見張るほどキレがあるし、独創的です。今よりも体重が軽いのでふわふわ華麗に飛ぶのよね。
 オーディオ・コメンタリーはマイケル・コーチが司会です。さすがスマックダウンの実況、上手いです。試合の解説とゲストの話題を振り分けるタイミングが絶妙。ミステリオの独創的なムーブがエディの絶妙な受けによってもたらされているというのが明らかになってました。う〜ん、やっぱりゲレロはすごいのねぇ。
 ここまで収録された試合はどれも面白いのですが、どれもゲレロがイマイチ目だっていません。なんなんだ。

特典映像その他

ロス・ゲレロズのプロモーション映像とミュージック・ビデオとゲームのCMが入ってました。後半二つがDVDのクオリティを落としてますね。WWEはこのDVD売れないと見込んでたんでしょうか。ミュージシャンとゲームの宣伝普通にいりませんよ。
Disc2に続く…

*1:このトピックで「←」押すとヘクターがサバイバーシリーズで変装してきた映像が出てきます。卵のセットで「レスラーでてくるかも」「プレイメイトかも」とか色々煽っておきながら、当たり前すぎる鳥のきぐるみが出てきたらそりゃブーイングものでしょう。

*2:エル・サント主演のプロレス映画は大ヒットしてしまったためにエル・サント死後もプロレス映画は量産。メヒコのマスクマン映画を指すサント映画ってジャンルも確立してしまいました

*3:ここでも「←」二度で抗争史が見れます。ちょっとまとまりないかな