ロイヤルランブル2005

WWE ロイヤルランブル2005 [DVD]
 30人変則バトルロイヤルマッチを看板に掲げる名物特番、レッスルマニアへの路はここから始まります。オートンブームが少し落ち着いてきてシナとバティスタが勢いに乗りまくっている時期ですね。HHH率いるエヴォリューションから抜け出そうとする気配を見せ始めるバティスタ。HHHとの微妙な緊張感が本特番でも見られますよ。
 長時間で大人数を擁するロイヤルランブルをメインに控えているため、試合数は少なめで第一試合から豪華な試合がバシバシ組まれてきます。レッスルマニアに次いで人気の高い特番というのもうなづけますね。
 本特番は序盤2試合の質が高く、長時間かかってしまったためか後半のメインクラスがあっさりめに見えてしまうことも。しかし、ランブルはストレスなく見れたのでぶっ続けで見るにはちょうどよいかもしれません。

公演内容
HBK対エッジ

 さすがロイヤルランブル、第一試合からメインイベントクラスをもってきます。HBKがオープニングマッチだなんて本当にありえない。WWEの層の厚さを示してますね。タブー・テューズデーから続いている抗争ということで、結構長期抗争なんですが、印象に残ってないなぁ。HBKが怪我してたんで休場中ストーリーが進まなかったんでしょうか。
 エッジはとにかくでかくてスタイルや見栄えがよく、華があります。雰囲気からヒールがよく似合ってますね。HBKに対する高慢な態度や挑発は様になってます。途中、HBKをフォールしそこなったとき、悔しがって髪を掻きみしってましたが、指に絡まった髪の毛多すぎじゃないですか?キングも「ニアフォールが続くとエッジが禿げるぞ!」と心配してましたよ。
 序盤は少しHBKの攻勢が続きますがあとはひたすらエッジがHBKをいびる、"HBKライク"な展開に。今試合はHBKにリードされたせいもあるのかエッジ絶好調。サミング、サブミッション、ダイビング攻撃と飽きのこない多様な攻撃を見せてくれます。バンプをとりまくり耐え続けるHBKの表情も千両役者の名に恥じぬカッコよさ。ランブルを意識した序盤の攻撃からガッツをみせる中盤のバンプまでHBKも絶好調です。終盤は炸裂しそうでしないスィート・チン、ニアフォールの連続とこれもまたHBKライクな展開になりますが、HBKもエッジも調子がいいので、オープニングマッチにするには非常にもったいない好試合でした。
エディとフレアー、ランブル戦のくじ引き
くじ引くだけなのにフレアーはしゃぎすぎ。トリー&クリスティへのちょっかいまでネイチャーボーイの味がでてます。Wooooooo!
ハイデンライヒ、スニツキーと対面
でかくて不器用そうな男二人が向き合うとなんともいえないコミカルな雰囲気が醸成されますな。ハイデン鼻息荒すぎだよ。スニツキー、ハイデン対テイカー戦に秘策があるとな。スニツキーの乱入が決定ですな。

アンダーテイカー対ハイデンライヒ 棺おけマッチ

 抗争VTR、WWEはまた映像編集のレベルが上がったのではなかろうか。テイカーがメチャクチャカッコいいですよ。いや、もとから十分カッコいいですが。
 最近のテイカーは本当にノビノビレスリングをやってる感じがしますね。定番ムーブだけではなく最近ではレスリングムーブを結構取り入れており、自分のスタイルをアレンジして楽しんでいるようです。今回もテイカー戦の定番の流れとはちょっと違う試合展開。アームドラッグや三角締めなど、意外なムーブを見せてくれるし、他にも新人相手だと、たいてい御大がボコってボコってボコリまくる展開が続くんですが、ハイデンライヒ相手に結構バンプを取ってくれてますね。
 ハイデンライヒレスリングとは別に細かい仕草が上手い。掛け声つきで一生懸命だけどどこか間抜けなパンチや棺おけとテイカーを怖がる仕草がかわいい。ギミックにハマっているのでWWEに定着してくれるかもしれませんね。
 試合展開もサプライズつきでかなり楽しめます。棺おけは今回大活躍でした。これほど試合に有効活用される棺おけマッチも珍しいんじゃないでしょうか。ハイデンライヒもよくがんばった!
…ここまで好試合で後は世界王座戦二つとロイヤルランブル戦を残すばかりです。かなりいいペースですよ。
エディ、ズルがばれる
クリスチャンとシナ、ランブル戦のくじ引き
 くじ引きのアシスタントをしてるクリスティに「大変な仕事だな」とガチで強烈な皮肉をぶちかまし*1クリスチャン、シナとラップ対決です。これまでアングル、スパンキーと苦戦を強いられてきたシナですが、さすがに下手すぎるクリスチャンには圧勝。シナもラップというかマイクが上手になってますね。

JBL(c)対カート・アングルビッグ・ショー WWE王座戦

あれ、JBL左足を引きずってるよ!?しかも微妙に目立ちにくいテーピングしてる。いやな予感...。
 …えー、ちょっとこの試合の短さは納得できないよぉ。JBLビッグ・ショーもなかなか調子よかったし、なによりカート君が絶好調だったじゃないですか。JBLとカート君の戦いはなかなか見ごたえがありましたよ。JBLも多分左足を負傷していたんでしょうが、途中からはそれを忘れさせてくれるほどの活躍っぷり。ヘタレチャンプらしくカートとビッグ・ショーのいいところをバッチリ引き出してくれました。試合内容はビッグ・ショーがかなり圧倒する展開。次につながるような終わり方をしてしまいました。
 WWE王座戦で、この顔ぶれにしてはちょっと不満の残る試合でしたね。盛り上がりかけてきたところに終わってしまった中途半端な情熱をどこに向けたらいいんですか!
バティスタカリート
カリート君もギミックにバッチリハマってますね。WWEに向いてるレスラーだと思います。バティスタカリートと絡んだらそのままランブルのくじ引きルームへ。この間カメラは流しっぱなし。ドアが開くと同時に抜群のタイミングでセリフを喋りだすエリック・ビショフGMはさすがですね。

HHH(c)対ランディー・オートン 世界ヘビー級王座戦

 これも抗争VTRが流れてましたが、内容がな〜い。ヴェンジャンスの時とストーリーの違いが見えないんですよね。妙にバティスタが目立っているのも次の展開が読めてしまってイカン。しかし、試合巧者二人がそろっているので、内容には期待ができます。
 オートンは序盤からガンガンRKOを狙ってきますね。一撃必殺のフィニッシュなので、もちろん外しまくるわけですが、RKOのフォームの美しさを再確認することができますよ。相手の首を持ってぐいんってジャンプするときの高さがホントありえない。不安定な高さまで起き上がるのに綺麗に落ちるんだよね、オートンは。同じ一撃必殺でもダメ押し感のあるぺディグリーとは性格の異なるRKOはちょっと好みじゃないんですが、形の美しさ、テンポのよさ、豪快さをみても若きエースのフィニッシュムーブにふさわしい技だと思います。
 オートンもHHHも基本的にバンプのほうが得意なんですが、今回はHHHが終始攻撃役。いつもの執拗極まりない足攻めを繰り出してきます。今回はロングバージョン。オートンの反撃もソコソコにひたすら足責めが続きます。終盤はお互いに大技を繰り出しはじめるベーシックな展開。そしてラストは次に続くようなしっくり来ない終わり方。確かにここでガッツリ決着をつけてしまうようなカードでもない気がします。
カート君、ムリヤリロイヤルランブル出場
ナンジオお疲れ〜

ロイヤルランブル

 さて、メインイベントです。実況解説はJR&タズとSD!とRAWのコラボレーションになりました。今回RAWの解説キングの調子が悪い気がしたのは僕だけでしょうか。キング節がさえず、RAWの試合ではJRの発言が多くを占めていた気がします。で、ランブル戦の実況ですがタズは最初こそJRとの調子を伺っていたのか、あまり喋っていなくて、JRから「何もいうことはありませんね!」「ロイヤルランブルには観客になることもできます!」とか結構きつい皮肉が飛んでましたが後半はいつもどおりノリノリでした。
 一番手と二番手はエディ・ゲレロクリス・ベノワ。この二人は主に序盤の展開をリードし続けます。ゲレロは時々ペースを乱してこちらを飽きさせない、ハラハラさせる展開をみせてくれましたね。やっぱりエディはベビーが似合ってるよ。ハードコア・ホーリー親分も序盤に登場、最近親分は面白い使い方されてますな。限りなく微妙なタイミングでダニエル・ピューダー君を落としたりするも、結構存在感を示してフェードアウト。
 エッジ、HBKカート・アングルと試合を終えたばかりのスーパースターも参戦。HBKとアングルは抗争作りに終始したもののエッジはかなり長丁場に渡ってランブル戦に参加しましたね。えらいよ、エッジ。
 ランブル戦だと層の厚さの差がちょっと明らかになってしまった感も。RAWのスパスタはみんなそれなりに見せ場をつくったものの、SD組みはジンドラック、ルーサー、補佐官、レネ、ケンゾーと印象がイマイチだった顔ぶれがチラホラ。RAW組もSD組も出オチが少なくないってのも確かですが、これは試合時間が短いために仕方がなかったことかもしれませんね*2
 試合はテンポよくポンポン進みます。ロープ際のきわどい攻防もストレスない感じで散らばってます。長時間なのに「え、もう30人出たの!?Woooooo!」って感覚でした。タルさを感じさせないランブル戦なんて初じゃないかしらん。ちょっと物足りなかったのも確かだけど、ランブル初心者には確実にオススメ。
 敢闘賞はリック・フレアーとエディ・ゲレロロイヤルランブルに曲者は絶対必要だよね〜。
※今試合ではマクマホン氏が足を怪我する例のシーンも見ることが出来ますよ。結構間抜けでした。

*1:クリスティは前年のDIVAコンテストの優勝者ですが、大して仕事も出来ないのに高給で大量に入荷されたDIVA陣にはレスラーやファンの苛立ちの声が挙がってきています

*2:あと、この頃は例の2004大量解雇直後であり、RVDカリートダッドリーズにユージンと欠席組みも多くて、レッスルマニア前にはお馴染みのレジェンドの復帰もなかったから顔ぶれに物足りなさを感じたのも確かです