TABOO TUESDAY 2004 (Milwaukee, WI - October 19, 2004)

WWE タブー・チューズデイ 2004 [DVD]
 これ、あまり評判のいい特番じゃないんですよね。試合形式や対戦相手をネット投票で決める!って特番なんですが、試合内容が直前になって決まるために練られた試合やストーリーが観られないって側面があったわけですよ。
 でも、ちょっと趣向を凝らされたりすると僕なんかはワクワクしちゃうわけです。オープニングのコーチ(ジョナサン・コーチマン)の演説からテンション上がりまくりこれから何が始まるんだと胸が震えたわけです。WWEの演出ってやっぱりうまいよね。
 いずれの試合もソコソコでしたが、メイン2試合がすばらしかったので、単独PPVでしかも新しい試みを行った特番としては健闘しているんじゃないでしょうか。

クリス・ジェリコ(c)対??? IC王座戦

 ネットで投票されるのは対戦相手。事前にコーチが観客の反応を伺うのもいいね。このころのバティスタに対する反応はまだまだ微妙。JRも意外だといってました。JRの発言から見るに会社としてもそろそろバティスタをプッシュしたいという意向があったんでしょう。リーガル卿とタジリさんに声援が多かったのはうれしかったですね。
 ネット投票で選ばれたのは…シェルトン・ベンジャミン。ゲームオタク*1のスーパーアスリート、勢いよく出陣です。このころは確かRAWに移籍して間もなく、HHHに連勝してたんでしたっけ。
 試合は両者とも可もなく不可もなく進行しますが、大きな見所のないまま終了。オイオイ、ネット投票の悪いところをいきなりみせたらイカンでしょ。ベンジャミンのアスリートチックな動きはベノさんやカート、ハースといったタイプのレスラーにしか対応できてないと思うのは僕だけでしょうか。
 試合終了後、HHHと戦う王座戦の対戦相手を決めるネット投票の結果発表に入ります。エッジ、ベノワ、HBKの三人が候補ですが、ベノさんベビーになってもインタビューの口調が全然変わりませんネェ。見下ろしながら喋ると顔が崩れてヒールに見えますよ。HBKは半月板を負傷しているとのこと。しかし、ネット投票も観客も王座戦のチャレンジャーに選んだのは無情にもHBK。この結果のおかげでネット投票の信頼度が高まったようです。プロレスラー大変だなぁ

DIVAバトルロイヤル 女子王座

 ネット投票で決められるのはDIVAの衣装。女子高生/メイド服/ナースって、何だこの選択肢。悪い夢を見ているようだ。アメリカだったらさ、チアガールとか下着とかそーゆー選択肢がでてくるかと思ったらずいぶんと和風テイストでこられてビビってたじろいでおります。そもそもアメリカの高校に制服なんてねーだろ!
 で、観客、ネット投票共に選ばれたのは女子高生。こういうコスプレ系だとステイシー・キーブラ強いね。入場ではダントツに華があります。試合内容は例によってグダグダでトリッシュ・ストラタスの勝利。モーリー・ホーリーは技にキレがあったんだけどもういないのよね・・・。

ケイン対ジーン・スニツキー

 ケインの奥さんリタを流産に追い込んだジーン・スニツキーとの遺恨戦。ケインってこういう笑えないネタを時々担当するよね。ケイン担当のライターとかいるんだろうか。
 ネット投票で決められるのは試合に用いられる凶器。チェーンが選ばれるんだけど、どうも盛り上がりません。チェーンを鞭のように叩きつけたり、こぶしに巻きつけて殴ったり、首を絞めたり定番ムーブはやってるんだけどねぇ。
 終盤チェーンが凶器に指定されたのになぜかイスが持ち出されます。(中略)あかん。スニツキーあかん。これはエグかったな。JRのテンションの変わりっぷりもケインの反応もリアリティありすぎ。ちょっと沈んじゃったな、この試合。

エリック・ビショフ対ユージン

 ネットで決められるのは試合後の罰ゲーム。丸坊主という選択肢が出た時点で他の項目は霞んでますな。試合自体は光速で終了。見所はコーチやマクマホン御大も入り乱れる罰ゲームショーです。ビショフの秘密が明かされるというオチは綺麗でした。もうちょっとレスラー入り乱れる馬鹿騒ぎにしてもよかったと思いますが。

ラ・レジスタンス(c)対世界ヘビー級王座戦に挑めなかった二人 タッグ王座戦

 ヒールのエッジとベビーフェイスのベノワが組むことになりました。事前にHBKの王座挑戦は読めてたんでしょうか。試合の流れも綺麗だし、展開も工夫されてます。シルヴァン・グラニエは上手いね。ベノさんの動きに合わせてくるし、間の外し方も見所あります。ベノワさんはいつも通り。スピーディーでバチバチぶつかっていく力強いファイト見せてます。
 ベノワさんとグラニエの調子がいいし、なかなか面白い試合でしたよ。

クリスティ対カーメラ

 DIVAサーチの決勝に残った2人組の遺恨戦ですね。そーいやカーメラはいつの間にか消えちゃったな。DIVAサーチの中では美人だなと思ってたけど。ネット投票で決められるのは試合形式。ランジェリー・ピローマッチ/イブニング・ガウンマッチ/エアロビ・チャレンジとここにきてアメプロライクな選択肢に戻りました。さっきのDIVAバトルロイヤルの選択肢は一体なんだったんだろう・・・。選択肢のうちランジェリー・ピローとイブニング・ガウンは何が違うのかよく分からんけど、とにかくランジェリー・ピローマッチが選択されました。
 着替える様子は白黒ショーよろしくシルエットで表示。このシーンが本試合最大の見所でしょう。クリスティ動きがよすぎ。もともと何かのプロだったんでしょう。2人とも素人にしては舞台度胸が半端じゃないなぁ。試合は光速で終了。プロレスも覚えてねと。

HHH(c)対HBK 世界ヘビー級王座戦

 HBKはチャンプの後に登場。おお、足引きずってるしポーズもまともにとれてないよ...。待ち受けるHHHも心なしか心配そうです。半月板が割れるってどういう状態かよく分からんけど、膝の骨ってやばいんでないの?よく試合に出てきたなぁ。「ショー・マスト・ゴー・オン」の掟が今回はことさら重く響いてきます。
 序盤は打撃の応酬。HBKまともに立つこともできず、ロープに捕まったままです。ひえぇぇ。ここからどういう展開するかわかんないけど、どんなグダグダクソ試合であれ試合に挑むHBKのガッツを僕は買うぞ!HBKの闘志を感じただけでこれは名試合確定です、うんそうだ。と思ってました。...つまり、展開に期待するのをあきらめたんですね。
 しかし、HHHは徐々に膝を攻め始めます。エグぅ!HHHのキャラクターだから仕方がありませんがね。HBKがリンチ状態なシーンが続きます。HHHの四の字のシーンとかやばいですね。誇張じゃなくて本当に痛そう。レフェリーが試合を止めようとするのを拒否するHBK、ヒールの声音ながら試合を投げろと訴えるHHHの図は本当に熱い。本特番最大の名シーンですね。
 ここからHBKは期待以上の動き、展開を見せてきます。序盤は箒の棒に対応するHHH状態でしたが、試合を完成させようとするHBKのガッツは鬼気迫るものがありますよ。
 HBKが千両役者と呼ばれる所以がわかる本PPVのベスト試合です。これは熱かった。

ランディー・オートン対リック・フレアー

 さて、メインイベントは30年程歳の離れたレスラーの対決。レジェンド対レジェンド・キラー、リック・フレアーの章ですね。オートンが今まで戦ってきた中では最も偉大なレスラーではないでしょうか。レジェンドは大抵ベビーフェイスになるのでオートンはヒールだったのですが、フレアーはレジェンドでは珍しくヒールだったのでなかなか実現しなかった対決でした。オートンがベビーフェイスになったことでついに実現したわけです。僕がこのPPVを観ようと思ったのもこの対決が見たかったから。リック・フレアーがPPVのメイン戦で戦うってだけで大興奮ですよ。
 ネット投票で決められるのは試合形式。ダントツでスティール・ケージマッチが選ばれました。う〜ん、サブミッション・マッチを選んだ僕みたいな人はひねくれものなんでしょうねぇ...。オートンはカッコいいし、プロレスも上手いと思うけどRKO嫌いなんですよ。「えっ、これで試合おわんの!?」って置いてけぼりくらった感じで。サブミッションならそれないかな〜っておもって投票したんですが、超少数派でした。残念。
 試合はオートンの体のぐいんぐいん伸びるばねの利いた動きや器用で渋い攻撃も光りますが、基本的にフレアーショー。フレアー戦のお約束がこれでもか、これでもかと炸裂します。オートンも上手く生かしきったんでしょうね、フレアーも試合が楽しそう(血だらけですが)。観ている僕も楽しかった。最初から最後まで見せ場ありの名試合ですよ。
 試合終了後もフレアーは満足したのかロープ掴みながらオーラ炸裂の咆哮をみせてくれます。脂っこいなぁ。濃いなあ。これだからフレアーはたまらんよ。

*1:このゲームオタクってとこ、キャラに生かさないのだろうか...