サマースラム2003
真夏の祭典サマースラム2003です。
DVDパッケージのセイブルが非常にインパクトのあるアレですよ。
この年も出し惜しみのない豪華なラインナップです。顔ぶれはソコソコ揃っているけど、サマースラムにしては小粒な印象。いずれも遺恨やドラマが薄くて、同年のサバイバーシリーズにいいとこもってかれた感じですね。ヘル・イン・ア・セルとロイヤルランブルをごっちゃにしたようなエリミネーションチェンバー、ヘル・イン・ア・セルやRRで既視感のある見せ場が中途半端な印象を受けてやっぱり好きになれません。特にこの年はゴールドバーグのインパクトに全部持っていかれた感じ。
それでは各試合別のレビューに移ります。
ダッドリー・ボーイズ(ババ&ディーボン)対ラ・レジスタンス(タッグ王座)
ダッドリー・ボーイズではいつもディーボンがつかまって、後半ババが暴れるパターンが多いのですが、本試合はババがつかまるという珍しい構図が。
ダッドリー・ボーイズはどちらも体が太くて大きいのですが、スープレックスやロープを巧みに使って流れるような試合を組み立ててます。
試合はダッドリー・ボーイズが終始注目を浴びる展開でしたが、ここは年季の違いでしょうね。ラ・レジスタンスも下手ではないです。
アンダーテイカー対Aトレインwithセイブル
最近ジャイアント・バーナードとして全日本でデビューを果たしたAトレイン。武藤社長もでかいでかいとビビッてましたが、確かにアンダーテイカー様と並んでも遜色ない大きさ。(腰は明らかにテイカー様のほうが高かったですね)デカイ部類だとはあまり感じてませんでしたが、剛毛の印象が強すぎたんでしょう、たぶん。
ちなみに2mをラクラク超えるテイカー様でもリングインではセカンドロープをまたぎます。やっぱりWWEのリングはバカでかいんですねえ。
レッスルマニア19ではちょっと上手いかな?と感じたAトレイン。テイカー様の一対一でイメージダウンしました。典型的な大型のっそりレスラーですね。攻めの流れが退屈です。
テイカー様はリングを温めるのもそこそこに試合終了。
シェイン・マクマホン対エリック・ビショフ
さて、マクマホン劇場のスタートです。シェインはこれから半年にわたって繰り広げられるケインとの抗争のスタートであり、ビショフにとってはサバイバーシリーズまで続くストーンコールド・スティーブ・オースチンとの抗争がいよいよ佳境に差し掛かったあたりに組まれたこの試合。試合自体は見るべきものはなく、後半からのオースチンショーが見所になります。
コーチもでるよ!(笑)
エディ・ゲレロ対クリス・ベノワ対タジリ対ライノ(US王座)
Fatal 4-wayのUS王座戦です。エディはレッスルマニアに向けてズル賢いキャラクターで人気を獲得していくわけです。本試合、エディの出番はかなり少ないのですが、短いながらもしっかりと見せ場を作ります。
試合巧者だらけの試合のためか展開が異常に早いです。ついていくのが本当に大変。タジリさんがキレありまくりで目立っているので、タジリさんファンは必見ですね。このメンツで目立ってたのはちょっと、うれしかった。
カート・アングル対ブロック・レズナー(WWE王座)
はい、今回の特番のベストです。この組み合わせの時点でベスト確定です(笑)。
レスリングの攻防→乱戦→レズナー攻勢→アングル逆襲→乱戦→決着までの流れが非常に綺麗なんです。(忘れっぽい僕が試合展開をここまで覚えているのは普通ありえません)展開が変化するキッカケがどれもわかりやすくて印象深いんですね。アングル戦らしい頭のいい展開です。僕はアングルの高等なレスリングテクニックも好きですが、何より好きなのはちょっとひねった試合展開なんです。
もちろん、両者共にアスリート型レスラーのトップなので、動きがキビキビしてます。レスリングや関節技の攻防も、この二人は早いし、飽きないように微妙に動きや変化をもたせます。
レズナーは行った行動はともかく、体格、技術が備わったすばらしいレスラーなんですよね、やっぱり。
終盤戦は非常にかっこいい展開なので、やっぱり文句なしに勧められるベスト試合ですね。
RVD対ケイン
イスとハシゴが飛び回るNo Holds Birdマッチです。ハードコアルールのケインはバシバシバンプを取ってくれるし、映えます。RVDの自虐的ムーブもハードコアルールで映えるので、会社も期待してたんでしょう。サブメインです。
しかし、時間が押していたんでしょう。短かったです。がっかり!
HHH対ゴールドバーグ対HBK対Y2J対ケビン・ナッシュ対ランディー・オートン(世界ヘビー級王座)
今回で二度目のエリミネーションチェンバーマッチ。今回もリングの周りをチェーンが覆い、試合を待つ4人の選手はガラスの檻に閉じ込められます。
しかし、エリミネーションチェンバー、存在感ねー!(Y2JとHBKはほとんどリング内で試合するし...。)
今試合、ゴールドバーグ劇場です。メッチャクチャ暴れまわるので、破壊のカタルシスを得られますよ。チェンバーとこのメンツにしては試合時間短かく、オートン、ナッシュはほぼいいところなしですね。
ほとんど敗退者のいないなか、最後にゴーバーが入場するんです。みんなゴーバーのやられ役ですね。ゴーバー、レスラーを端からぶっ飛ばす、ぶっ飛ばす。叩きつける、叩きつける。選手を囲むヤワなガラスがガッシャンガッシャン割れます。
いや、これはこれで面白いんですが(観客も終始ゴーバーに声援送ってたし会場の空気はピッタリでした)、わざわざチェンバー式にする意味はあまりないじゃーん。個室の檻の上から飛べるよう、もっとチェンバーを高くしたり、出入り口から選手が出入りする乱戦にしたりすればまた面白くなるのかもしれません。