マネーボール

マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男
メジャーリーグ最低レベルの資金力を持つアスレチックス。少ない資金力を持って効果的な戦略を練ることは可能なのか。全く新しい理論を携えたGMビリー・ビーンが金満球団を次々に打ち砕く様を描いたノンフィクションです。打率、盗塁、犠打、エラー無視の革新的な理論とはいかなるものなのか。
本作品の魅力は注目を浴びなかった選手が活躍するカタルシスや、トレードの緊迫感はもちろんですが、GMビリー・ビーンの人間的な魅力もあるでしょう。子供っぽいんです。いやなことがあると、物や人に当たる。他人のことだと決断力はあるけれど、自分に関することだと、てんでダメと。近くにいるとすごくいやな奴ですが、小説の主人公だとハラハラドキドキしますね。普通に優秀な選手の首がとんだりしますし。
人間ドラマの後、緊迫感のあるトレードが定期的にはさまれるのは意図的なことでしょう。おかげで飽きることなく楽しんで読み進めることが出来ました。優秀な娯楽作品として薦めることが出来ます。