下妻物語

下妻物語 スタンダード・エディション [DVD]
 この作品、原作者がいて、嶽本野ばらっていうんですね。この人、「乙女」という概念にこだわりをもってて、独自の美観を元に乙女像を作り上げてしまったらしいです。乙女はハードコアたるべしと。孤高で貴族で独善的な主人公を見ると、ああ、なるほど、ハードコアだと変に納得させられます。この作品はそんなハードコアな乙女と硬派な不良少女の友情を描く映画なんです。
 物語の作りは、後半がベッタベタの友情モノなんですが、前半のキッカイでコッケイな人間模様が繰り広げられるのがアクセントになっているので、ベタベタな後半に上手く入り込めるようになっています。後半面白いけど、この作品の真骨頂はやっぱり前半かな?
 イチゴにも、桃子にも、「あ!その行動、その態度、わかるわかる!」と共感しまくっていたのは僕だけでしょうか。僕の中でこの映画は友情のすばらしさを確認するものではなく、少女たちのハードコアな生きざまを己と照らし合わせる映画でした。よって前半最高。
 いろーんなものの考察がデフォルメされて、バカにされていたんだけど、すべては物語をわかりやすく、コミカライズするのと、桃子視点で世界観を作り上げるための仕様でしょう。出来はよかったです。イチゴにも桃子にも共感しまくりです!楽しかった!