バッド・テイスト

バッド・テイスト [DVD]
 「ロード・オブ・ザ・リング」でおなじみ、我らが映画オタク ピーター・ジャクソン監督作のスプラッターコメディです。これが、監督のデビュー作なので、「指輪」が気に入った人や「ブレインデッド」が大好きな人にはぜひともオススメしたい一本ですね。
 デビュー作だけあって、予算はゼロ。製作に四年くらいかかったらしいです。四年もかかって映画のテンションが全然落ちないのは本当に偉大。クライマックスのドタバタっぷりはブレインデッドに通じるものがあります。というよりも、ブレインデッドからさらに予算を削って作られた映画とみたほうがいいですね。
 この監督の映画は他のスプラッターと比べて圧倒的にベトベトグチャグチャしているので、そういうのが嫌いな人は見ないほうがいいです。小学生のノリで、ウンコやゲロがばんばん出てくるのをケラケラ笑う映画ですよ。実際はウンコやゲロも出ますが、やっぱりスプラッターなので、いっぱいでてくるのは脳ミソなんです。序盤は気色悪いかもしれませんが、くどいくらい脳ミソがボトボト落ちてくるようになると、ギャグに変わってきます。この辺の転換具合も見事。めっちゃくちゃ汚い映画ですが、タイトル意味が「悪趣味、下品」なので許してあげてください、勘弁してください。
 なんといっても注目すべきは主人公のデリクと宇宙人のロバート。これ、なんとピーター・ジャクソン一人二役なんです。監督、おいしいとこもって行きまくりですよ。監督、死んだり、ゲロ吐いたり、もう本当に楽しそう。貧乏でも、好きな映画を全力で作っていたんだから、幸せだったんだろうなぁ。
 あと、デビュー作だけに作りの荒い部分や、明らかにおかしい部分も多々あります。その辺を突っ込んで回ると、これもまた楽しいんですよ。うん、何度も噛めるいい映画だ!
 ストーリーは...どうでもいいや。ゾンビっぽい人食いエイリアンとイッテル若者たちが戦う話です。あってないようなものなので、期待しないでね。
 ブレインデッドほど面白くも、力強くもありませんが、やっぱり創意工夫に満ちており、観るべき点は多いです。なにより楽しそうなジャクソン監督は必見。オススメ!