マウス・オブ・マッドネス
われらがジョン・カーペンター監督のホラー映画です。ラブクラフトに想を得た作品とずばりインタビュー本に書いてありましたね。確かにラブクラフトっぽいといえば、ラブクラフトっぽいです。大きな雰囲気としては、なんとも言葉にしがたいです。僕自身、ラブクラフトの作品をそんなに多く読んでいるわけではないので、自信はないのですが、自分なりに述べてみると、恐ろしいものが常に背後にいて、なかなか表に出ない恐怖感。さらに語り手である主人公が狂気にさいなまれていくことで物語の後半が現実と虚構が入り乱れたキッカイな世界観が構成されるところとかがあげられますでしょうか。そしてそれは本作の魅力として語ることもできると思います。小さな部分で指摘することもできますが、これは見てのお楽しみということで。
前半の作りが荒いのは仕方ないんですかね。お化け屋敷みたいなこわがらせ方していたのは苦笑。カーペンター自身、前半の山である、主人公の読書シーンは自信がないと述べています。おかげで前半飽きることはないという効果も生まれたのですが。そういえばラブクラフトの作品は前半が淡々と物事が進むだけでつらいと感じていました。これは僕だけかな?
ストーリーの紹介忘れていました…。保険の調査員*1である主人公はホラー小説のベストセラー作家が失踪した事件の調査を任されます。*2この小説家が曲者で、書いた小説を読んだ読者は次第に現実と狂気の見境がつかなくなるんです。主人公は調査のため小説を読むので、狂気に悩まされることになります。主人公は狂気と戦いながら作家の追跡を開始するのです。
狂気に支配された村は『シャイニング』のような楽しい創造のかたまりでした。『シャイニング』ほどキレイに作られていませんが、観客も狂気の世界へといざなう展開とエンディングは圧巻です。
物語のスジが通ってなくて、不可解というツッコミは無粋!
オススメ!