サスペリア
ネタがないので昔のレビューを引っ張り出します。2004/11/27鑑賞
ハイでサイケなホラーだった。
ダリオ・アルジェント監督の出世作。
演出に個性がでていますね。
ストーリーよりも、演出でどういう工夫がなされているかを述べたほうがこの映画の魅力を伝えやすいと思うので、以下気付いたことを箇条書き。
- 自動ドアのシーンに代表されるアップしすぎ、コマ割りしすぎの不安を誘うショット。
- これでもかというくらい原色たっぷり、まっかっかの画像。
- 騒音ギリギリのゴブリンの音楽。
- それと対象をなすような童謡。
- 叫びまくり殺されまくる少女たち。etc...
怖くはなかったけど楽しめました。
ストーリーは単純で演出が懲りまくっているので、
オシャレなホラーとして勧められるかも。
(あくまでホラーに慣れている僕の感性なので、注意)
以下、ツッコミです。
まとめてみたらストーリーが若干不可解になるが、映画自体の印象は深まるといったシーンが多いのに気付きます。よってツッコミは最初のメモから大分減りました。
ネタばれもあるので、文字隠します。
少女に恋する青年。恋愛をとりあえず絡ませてみたんでしょうが、途中から愛が発展するどころか、青年の出番すら消えてしまいます。もともと恋愛とホラーは相性が悪いので、前半の青年は存在自体が違和感をかもし出しています。
天井から蛆の雨が降り注ぐ印象的なシーン。本筋とまったく関係がありません。これも印象重視でストーリーを二の次に置く姿勢がうかがえますね。
ダンススクールが舞台なのに、まともにダンスしているシーンがまったくない。これは設定を生かしきれていませんね。ストーリーともかかわりがないです。主人公がまともにダンスするシーンも実は全くありません。
ダンススクールの副校長の甥っ子、ピアニストの犬に噛まれて重症といってますが、次に現れるシーンでは無傷。
もともとホラーに片足つっこんでしまったきっかけはエクソシストだったんです。
光と影を上手く使った演出に、なんて綺麗なんだと息を呑んだものです。
その後、美術や演出から強烈なキャラクターやギミックを楽しむようになったのですが、今度は再び、演出と美術を楽しむ原色たっぷりのサスペリアに挑んでみっか、と原点回帰した次第なんです。
そこで今回の鑑賞ですが、原色をちりばめたサスペリアよりは光と影のエクソシストのほうが綺麗でしたね。ストーリーも演出もエクソシストは一般受けするようにしっかり作られている感があります。