ランダウン

ランダウン [DVD]
酷評注意
 ザ・ロック様主演の冒険活劇映画。バーで乱闘、秘境で宝探し、悪玉は地元の権力者と使い古されたというか、もはや今どき使われないようなアクション映画のコテコテのギミックがぽんぽん飛び出してきます。なっつかしぃと思えばいいんですよ。ロック様異常にでかくてデカイ銃をブンブン振り回し、おまけにコックなのに異常に強いところは沈黙の艦隊を連想してしまいました。結構他の映画で使われたようなギミックが多いです、本当に。あらかじめ覚悟してから見るべし。
 この映画、出だしから飛ばします。オープニングではアクション映画ではおなじみのダンスバー。ここ、ちょっと面白いサプライズシーンがあるので見逃さないように。バーにたむろしているのはフットボールのスーパースターたち。なんか色々あって、乱闘に突入しますが、ロック様強すぎ。世界最高の身体能力を誇るフットボールのスターでもロック様にかかればみんなジャブローニ。ここではなんとロックボトムも炸裂!すげえすげえ。これは面白いことになりそうだと大いに期待。つかみはオッケーです、ロック様!しかし、映画全体を通じて一番盛り上がったのはここでした。Uuuups!
 で、またなんか色々あってブラジルはエル・ドラド*1に飛ぶことになったロック様。"Finally, the Rock has come back to El Dorado!"て感じ。現地に向かうセスナではお約束のイカれた陽気なオッチャンが無茶な運転をしてロック様をひやひやさせます。これはちょっと盛り上がらなかったなぁ。で、ブラジルでも色々あって、ロック様10分おきぐらいに乱闘を繰り返します。絶対に銃を使わないってところもカッコいいぜ。でも、なんか動きが違うんですよね。重さと速さを表現できるロック様じゃない。あと、なぜかカンフーを使いこなすブラジル軍とワイヤーの連発を見たあたりからおかしいなと思い始めたんですよね。カンフー部隊、妙に強いし。…そしたらやっぱりアクション監督香港人ですよ〜。銃を使った戦闘を嫌うのもカンフーもワイヤーも香港アクションの定番ですよね。しかし、それは絶対ロック様の動きに合わないだろォ!ロック様らしい動きは序盤のロックボトムだけでしたよ。これは残念!監督もプロデューサーも何やってんだと怒ってたら、エグゼプティブ・プロデューサーにビンス・マクマホン御大の名前が!これWWE映画じゃないですか!製作会社WWE filmって、おいおい、そこまで力入れてるならアクションにもうちょっとプロレス味だしてよぉ。キャラクターもちょっと生真面目でスコーピオン・キングのほうが陽気なロックに近かった気がします。クライマックスでよくわからない現象が生じ、ライフルをガンガン使いこなしてましたがこのアクションもセガールを彷彿とさせるのはいかがなものかと。WWEはアクション映画作るならオリジナルの動きもバシバシ開発してくれたほうが面白いと思います。アクションの演出にかけては他のどんなエンターテイメントよりも優れているはずなんですから。
 ロック様目当てでも純粋にアクション目当てでもちょっと満足しきれない中途半端なできです。ストーリーはコテコテのアクション映画の筋をなぞっただけなのが逆によかった。問題はアクションですね。あと、ロック様のパフォーマンスがちょっと地味だったのは映画に慣れてなくて控え気味だったためでしょうか。

*1:アンデスのどこかにあるとされる黄金の都。いわゆる秘境