鈴木浩子-Another Face

#77ハートの国

この国で、倫理や道徳や、人間の生活を守ってるのは全部バッチリ法律なのよ、本当に。例えば、運転中に救急車の音が聞こえたら、そこにいる全車両がビックリするくらい一気に端に寄って止まる。せっかちな私は、サイレンが聞こえてもなおかつ少しでも前に進もうとしたりするんだけど、そういう《非常識》をしているのは私だけ(笑)。で、スクールバスがいちいち止まって生徒を昇降させるために、後ろが大渋滞になってても、それを追い抜いていく車は一台もない。これ全部法律で決められてるから。スクールバスを追い抜いたりしたら超犯罪。そういうと、日本だって一応そう決まってるって教習所でも習うけど、ここでは本当に容赦なくバッチリ捕まる(笑)。で、切られる点数もでかい(笑)。

 へ〜、このへんは知らなかった。日本のほうが交通規制がナァナァだったんだ。たしかに救急車に対して、端によってるんだけど、しれっと徐行してるのが、日本では一般的な光景。なんとか機嫌を伺いながら許してくれそうなのが、日本でいう「世間様」なんだろうね。確かに「世間様」というのはつかみ所がないにしてはやけに人間味を感じます。浩子さんのコラムではアメリカの「世間様」はルールをビシッと決めて、破るものは誰であれ容赦なく処罰するキッビシィ存在に感じます。それは日本の「世間様」のように親のような人間味ではなく規律やプログラミングのような無機質なものを感じます。
 一般論にぶん投げてしまえば「どっちもどっち、ほどほどに尊重すればいいんじゃね?」という結論に至るんですが、僕はナァナァな日本のほうが好きだな。